「魔笛」

<ふくはまの風 第29号 2016.8.10より>

 あれ?音が出ない。❝誰でも参加できます❞という菓音(カノン)のプランに孫たち(小学1年、3年)と参加しました。当初は一緒に演奏する予定でしたが諸事情で個別の演奏となり、孫たちのピアノ演奏の後フルートを吹き始めました。ところが易しい曲なのに思うように音が出ないのです。簡単な曲と軽い気持ちで臨んだのがいけなかったのか。

 好きな音楽で少しでも社会貢献をしたいとフルートを始めて20年。施設やイベント等さまざまな機会に演奏し、しかも一週間後にはフルート教室の発表会を控えてのまさかの出来事でした。反省から発表会では楽譜の左上隅に❝①舌の脱力 ②腹式呼吸 ③落ち着いて!❞とメモ書きして演奏に臨みました。メモ書きが効いたのか、本番では入り方もスムーズで自己採点では70点と、一週間前の失敗を生かすことが出来たと思っています。

 趣味でリコーダーも20年近く吹いています。縦笛のリコーダーはフルートに比べ指使いは比較的難しい(フルートは演奏し易いようにキーが配置してある)が、とにかく息を吹き込めば初心者でも音は出ます。一方横笛のフルートは、私だけかもしれませんが、状況によって音の出ないときや極端に音質が悪い時があり、私にとってはまさに「魔笛」です。ただフルートはリコーダーの2オクターブに対し3オクターブの音域があり、ほとんどの曲を一本の楽器で演奏できること、また優しい音色にも関わらず比較的大きな音を出すことができ、コンパクトでどこへでも気軽に持ち運びができる点など、音楽を生かしたいと考えている者にとっては最適な楽器です。松ぼっくりの地域交流会でも2,3年前にフルートコーラス「ゆりかご」のメンバーとして演奏しましたが、またいつか皆さんに良い演奏をお届けできたらと思います。

 さてこの「魔笛」と闘いながら?楽譜の左上隅に❝①右手親指の位置②舌の脱力❞と魔よけの呪文を書いて、現在❝「タイス」の瞑想曲❞に挑戦しているところです。

 

           福田地区民生委員児童委員協議会会長    伊東茂壽